
息をのむほど美しい大自然、美味しいグルメ、そして広大な大地。
北海道は、一度訪れたら誰もがその魅力の虜になる、最高の旅行先です。
しかし、その素晴らしい自然と隣り合わせに存在する「ヒグマ」の存在に、少し不安を感じていませんか?
「子どもを連れて行っても大丈夫?」
「キャンプや登山を楽しみたいけど、どこが安全なの?」
そんなあなたの疑問や不安に、長年この地で自然と向き合ってきたプロの視点からお答えします。
2023年、2024年とヒグマの出没ニュースが相次ぎ、安全な旅の計画には正確な情報が不可欠です。
この記事では、最新データを基にした「北海道 熊出没マップ 2025」の傾向と対策を徹底解説!
ヒグマとの遭遇を避け、安全に北海道を満喫するための情報をギュッと詰め込みました。
あなたの旅が最高の思い出になるよう、どこよりも詳しく、そして分かりやすくお伝えしますね。
>日本全国の「熊ニュース最新の目撃情報・全国マップ」記事をチェック!
【この記事を書いた人】
山岡 悟(やまおか さとる) アウトドアライター 兼 自然観察指導員
30年以上にわたり、日本全国の山々を歩いてきた経験を持つアウトドア愛好家。北アルプスや南アルプスといった本格的な山岳地帯から、関東・東北近郊の低山でのファミリーキャンプまで、そのフィールドは多岐にわたり。
若い頃に熊と至近距離で遭遇し、肝を冷やした経験から、野生動物との「正しい距離感」と「事前の情報収集」の重要性を痛感。
現在は、その経験を活かしてウェブサイトや雑誌で安全な登山・キャンプに関する情報を発信する傍ら、地域の自然観察会でガイドも務めています。
「自然を正しく恐れ、正しく楽しむ」がモットー。この情報が、皆さんの安全なアウトドアライフのささやかな助けになれば幸いです。
北海道でヒグマが多い地域・出ない地域は?
「北海道のどこにヒグマはいるの?」
これは、北海道旅行を計画する上で最も気になるポイントの一つだと思います。
最初に、最も重要なことをお伝えします。
「絶対に出ない安全な場所」というのは、残念ながら北海道には存在しません。
ヒグマは本来、山奥に生息する動物ですが、近年はエサを求めて市街地や観光地のすぐそばまで出没するケースが激増しています。
しかし、過去の出没データを分析すると、明らかにヒグマの目撃情報が多い地域と、比較的少ない地域があるのは事実です。
2025年の旅行計画を立てる上で、この「傾向」を知っておくことは、あなたの安全を確保するための第一歩になります。
ここでは、北海道庁や各市町村が発表している過去のデータを基に、特に注意が必要なエリアと、比較的安心して過ごしやすいエリアを具体的に解説していきます。
ただし、これはあくまで過去のデータに基づいた傾向です。
「少ない地域だから大丈夫」と油断せず、常に「ヒグマはどこにでもいる可能性がある」という意識を持つことが何よりも重要です。
これから紹介する情報を参考に、ご自身の旅行プランと照らし合わせ、リスクを正しく理解していきましょう。
【要注意】2025年も警戒!ヒグマの出没が特に多い地域
まず、北海道は日本中でも特にヒグマ多い地域として知られています。・・・
そんな北海道において、ヒグマの出没が特に多い「要注意エリア」を、まずは見ていきましょう。
これらの地域は、豊かな自然が残されている一方で、ヒグマの生息地と人間の生活圏が非常に近いという特徴があります。
- 道東エリア(知床・根室・釧路など)
- 道北エリア(宗谷・留萌・上川など)
- 札幌市近郊および道央エリア(石狩・空知・後志など)
道東エリア(知床・根室・釧路など)
世界自然遺産にも登録されている知床半島をはじめ、道東は日本で最もヒグマの生息密度が高い地域です。
特に知床五湖周辺や羅臼、標津といった地域では、道路脇でヒグマが目撃されることも珍しくありません。
また、特に2025年の夏には、羅臼岳でヒグマと遭遇してしまった登山中の20代青年が・・・
残念ながら・・・クマに襲われ犠牲になるといった事件が起きてしまったばかり・・・・
ドライブ中にヒグマに遭遇する可能性も十分に考えられるため、絶対に車から降りたり、エサを与えたりしないでください。
また、釧路湿原周辺や厚岸、浜中といった酪農地帯でも、デントコーン(牛の飼料)などを狙ったヒグマの出没が相次いでいます。
>>【関連記事】羅臼岳のヒグマ最新目撃情報と遭遇率!
道北エリア(宗谷・留萌・上川など)
道北エリア、特に天塩山地や北見山地といった広大な森林地帯は、ヒグマの重要な生息地です。
朱鞠内湖周辺や幌加内町、さらには旭川市近郊の山間部でも目撃情報が多発しています。
近年では、これまであまり出没が報告されてこなかった利尻島でヒグマの痕跡が見つかるなど、その行動範囲の拡大が懸念されています。
登山や渓流釣りなどで山に入る際は、単独行動を避け、熊鈴やラジオを携帯するなど、万全の対策が必須です。
札幌市近郊および道央エリア(石狩・空知・後志など)
「大都会の札幌にヒグマ?」と驚かれるかもしれませんが、実は札幌市はヒグマの出没が非常に多い都市です。
特に南区や西区など、山林に隣接する住宅街では、毎年のように出没情報が寄せられ、時には市街地で人身事故が発生したこともあります。
藻岩山や円山公園といった市民の憩いの場も、ヒグマの生息地と隣接しています。
また、定山渓温泉などの観光地や、ニセコ、ルスツといったリゾートエリア周辺の山林も、ヒグマの活動エリアであることを忘れてはいけません。

ガイドとして札幌近郊の山を案内することもありますが、ここ数年でヒグマの行動が明らかに大胆になっていると感じます。
以前は人を避けていたはずの場所でも、堂々と姿を現すようになりました。
特に札幌のような都市部では、「ヒグマは山奥の生き物」という先入観が通用しないことを肝に銘じてください。
観光で訪れる方も、ハイキングコースに入る前には「自分はヒグマの生息地にお邪魔する」という意識を持ち、必ず最新の出没情報を確認する習慣をつけてほしいですね。
ヒグマが「比較的」出没しにくいとされる地域
一方で、北海道でもヒグマの目撃情報が比較的少ないとされる地域も存在します。
これらの地域は、広大な平野が広がっていたり、大規模な市街地が形成されていたりするため、ヒグマが身を隠す場所が少ないことが理由として考えられます。
道央の平野部(石狩平野の中心部など)
札幌市の中心部や江別市、岩見沢市などの石狩平野に広がる市街地や田園地帯は、山林から距離があるため、出没件数は少ない傾向にあります。
ただし、これらの地域を流れる河川敷の茂みなどを伝ってヒグマが移動してくる可能性はゼロではありません。
函館市などの市街地
渡島半島の南端に位置する函館市も、市街地中心部での出没は稀です。
しかし、少し郊外に出れば香雪園(見晴公園)や函館山周辺など、ヒグマが出没してもおかしくない環境は存在します。
「函館だから安心」というわけではなく、山や森に近づく際は注意が必要です。
離島(利尻島・礼文島を除く)
基本的に、奥尻島や焼尻島、天売島といった離島にはヒグマは生息していません。
前述の通り、近年利尻島でヒグマの痕跡が見つかったため、「離島=安全」とは言い切れなくなりましたが、他の離島については現在のところ心配は少ないでしょう。

「出没しにくい」という言葉は、あくまで過去のデータに基づく確率論です。
ヒグマの行動は、エサとなる植物の状況や、若い個体の分散(縄張り探し)など、様々な要因で変化します。
昨年まで出ていなかった河川敷に、今年初めて現れるというケースは全く珍しくありません。
重要なのは、「データ上は安全」と油断するのではなく、「予期せぬ場所にも現れる可能性」を常に頭の片隅に置いておくことです。
それが、北海道の自然と付き合う上での基本的な心構えです。
【要注目!】>>あなたの県は大丈夫?2025速報・熊が一番多く出る県ランキング!
北海道のクマ出没マップ目撃情報一覧・2025年最新!
「じゃあ、2025年の具体的な出没マップはどこで見られるの?」
という疑問にお答えします。
残念ながら、未来の出没地点を正確に予測した公式の「2025年版ヒグマ出没マップ」というものは存在しません。
ヒグマの行動は天候やエサの状況によって日々変化するため、最も重要なのは「リアルタイムの情報」をいかに早く、正確に入手するかです。
テレビのニュースで「昨日、〇〇でクマが目撃されました」と聞いても、もう手遅れですよね。
そこで、北海道旅行中やアウトドア活動前に必ずチェックしてほしい、信頼できる情報源をまとめました。
これらのツールをスマホにブックマークしておくだけで、あなたの安全度は格段にアップ。
2025年から2926年の北海道を楽しむために、今すぐチェックする方法を身につけておきましょう!
【ブックマーク必須】リアルタイムで熊の出没情報を確認できるサイト・アプリ
これから紹介するサイトやSNSは、北海道庁や各市町村、専門家が発信する信頼性の高い情報です。
お出かけ前に必ず確認する習慣をつけましょう。
1. 北海道庁 ヒグマ出没情報
まずは、北海道全体の公式情報が集約されている「北海道環境生活部環境局自然環境課」のウェブサイトです。
全道の市町村から寄せられたヒグマの出没情報が地図上にマッピングされており、非常に分かりやすいのが特徴です。
いつ、どこで、どのような状況(目撃、フン、足跡など)だったかが詳細に記録されているため、訪問予定の地域の危険度を把握するのに最適です。
旅行前には必ず広域の状況を確認しておきましょう。
2. 各市町村の公式ウェブサイトやSNS
より詳細で地域に密着した情報が必要な場合は、訪れる市町村のウェブサイトが役立ちます。
特に札幌市や函館市、知床周辺の斜里町や羅臼町など、出没が多い自治体は専用ページを設けて、きめ細やかな情報発信を行っています。
また、X(旧Twitter)などのSNSで緊急情報を発信している自治体も多いので、訪問先の自治体アカウントをフォローしておくのも有効な手段です。
3. クマ活(クマに関する総合情報サイト)
専門家が運営する「クマ活」は、報道や行政からの情報を基に、全国のクマ出没情報を地図上にまとめている非常に優れたサイトです。
更新頻度も高く、情報も非常に見やすく整理されています。
北海道だけでなく、全国のクマ情報を網羅しているので、アウトドア好きの方はブックマーク必須と言えるでしょう。
4. YAMAP(ヤマップ)などの登山アプリ
登山を計画している方であれば、「YAMAP」や「ヤマレコ」といった登山地図アプリの活用は欠かせません。
これらのアプリには、他の登山者が記録した活動日記(ログ)が投稿されており、その中で「〇〇の登山道で熊のフンを見つけた」「〇月〇日に熊を目撃した」といった生の情報が共有されています。
行政の発表より早い、リアルな情報が得られることも多く、登山計画を立てる上で非常に重要な情報源となります。

私自身、ガイドの仕事で山に入る前は、必ず北海道庁の公式情報とYAMAPなどの登山者からの一次情報をクロスチェックしています。
公式情報は正確ですが、情報が反映されるまでに若干のタイムラグが生じることがあります。
一方、登山者の生の情報は速報性に優れています。
この両方の情報を組み合わせることで、より安全マージンの高い判断が可能になるのです。
情報を集めるのは、怖がるためではありません。
「正しい情報を知ることで、危険を避け、安全に楽しむことができる」
そのための「お守り」として、これらのツールをぜひ活用してほしいですね
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、2025年の北海道旅行やアウトドアを安全に楽しむためのヒグマ対策として、出没が多い地域・少ない地域の傾向と、最新情報を得るための具体的な方法について解説しました。
この記事のポイント
- ヒグマの出没は道東・道北・札幌近郊で特に多い傾向にある。
- 「絶対に出ない」安全な場所はなく、常に注意が必要。
- 未来の予測マップはなく、リアルタイムの情報収集が最も重要。
- 北海道庁や市町村の公式サイト、専門サイト、登山アプリなどを活用する。
この記事で紹介した情報を参考に、ご自身の旅行計画を見直し、万全の対策をしてください。
ヒグマは北海道の自然の豊かさの象徴ですが、正しい知識と備えがなければ、恐ろしい存在にもなり得ます。
最新の「北海道 熊出没マップ 2025」と言えるのは、皆さん自身が日々更新される情報をチェックして作り上げる、あなただけの安全マップです。
素晴らしい北海道の自然を、安全に、そして心から満喫できることを、道民として、また一人のネイチャーガイドとして願っています。